作り手の気持ち、買い手の気持ち、適正価格
昨日、偶然見かけたブログで、ダンス講座をやっていると知り、
講義途中からですが、見学に行きました。邪魔にならないよう、こっそり後ろのほうで見学。
初めて行ったのに最終回でしたが・・・
その後、STUDIO4DのオーナーのLiveさんが講師にいらっしゃって、
「皆さんにとってダンスって何ですか?」「なぜダンスをするのですか?」
という質問を講義参加者に投げかけ、しばしお話していました。
また、Liveさんは
「ダンスを製作する側にとって、それをダンサーさんが使っているのを見た時に、
作り手が感じていることって何だと思いますか?」と聞きました。
私も作り手なので、これはピンときたんですよね。
ダンスに限らず、商品は、売れて自分の手を離れてしまえば、使い方はもう使い手次第です。
それを使って何を表現するか。それをまた作り手が見た時、自分では予想しなかった
表現方法として使われるんですね。それはとても嬉しく楽しいことです。
Liveさんは、「ダンサーはアニメのボタンを押しているだけだと思わずに、
ダンスをひとつの素材として、あなたが何かを表現するために、自分が踊ってるつもりで自由に使ってください。」
と言うようなことを言っていたと思います。
使い手の自由。良いことなのですが、これは逆に、自分が表現したかった重要な部分が、まったく生かされない場合もあります。
こだわって作った部分は、使い手にとっては気づかないorどうでもいい部分であったりするのですね。
クリエイターによっては、自分の商品は自分の意図した通りにしか使って欲しくないという人もいて、
以前お話をした某クリエイターさんは、オブジェクトと、そこに入れる内容物のパーミッションを操作し、
あえて、トランスも、MODも、コピーもできないようにしていると言っていました。
MODされると、せっかくのデザインが変わってしまうから、イヤなのかもしれないし、
何脚も並べるようなイスなら、コピーしないで買って欲しいと思うのかもしれません。
また、購入者をTransactionで把握しておくために、トランスもして欲しくないとか。
むやみに触られて壊された挙句、苦情が来るのも困りますしね。
私としては、誤操作をふせぐor特別な理由がなければ、
基本的にほとんどの商品を、MODコピー可とMODトランス可の2タイプで商品展開をしています。
どう使って頂いても構いません。自己責任で行っていただければ、
細かく分解して、別の用途で使ったって全く構いませんし、もちろん私へ連絡も不要です。
また、ここから派生して、適正価格について考えました。
クリエイターは、自分の思い入れ、こだわり、使い勝手や購入後の用途なども含めて、
価格を設定していると思いますが、買い手が全体の価値を同じように感じられなければ、
その価格を高く感じてしまいますよね。
ぶっちゃけ、大抵売り手が思っているより、買い手は低い評価をするものでしょう。
買い手は、質は高ければ高いほどよく、価格は低ければ低いほど良いのですから、
当然と言えば当然。
そして一度、高品質で低価格なものを見てしまえば、基準はそこになります。
クリエイターには厳しい問題ですね。
現に、お客さん側からは、「高い」と言われるものも、
クリエイター側の人には、「価格破壊だー 安すぎ!」と言われることも多々あります。
立場が違えば視点が違います。
Xstreetは、購入者が評価を書き込めるようになっていますが、
私の作ったカップルポーズボールの評価に、こんな書き込みがありました。
「たった1ポーズなのに値段が高い」
カップルポーズは5種類出していますが、ポーズは各4ポーズづつ入っています。
どちらか一方だけが座っている場合に、再生されるアニメが男女別で1ポーズづつ。
そして、二人目が座ると、はじめて再生されるポーズが男女別で1ポーズづつ。
合計4ポーズです。
また、ポーズを作る際には、1人用ポーズと違って、ペアになったときにきれいに見える
ポーズにしなければなりませんから、その分の手間がかかります。
また、私のカップルポーズの場合は、二人が座ったあとに再生されるポーズの時に、
視線が自然と見つめ合うように、それぞれ視線調整のための工夫をしており、
その視線が、1人用で座った時のポーズでもおかしくならないよう、作ってあります。
例として商品パッケージから抜粋。
男性側の目が映っていませんが、女性側の目は、カメラを固定していない(もしくは自分に固定した)状態で、
斜め上、後方の男性を見ます。


何もしなければ、アバターの目は白目をむいたり、睨み付けたり見下したりしてしまいます。
せっかくカップルで過ごす時間が、雰囲気も何もあったもんじゃありません。
さらに、ゆっくり二人で会話をたのしむために、チャットをしているときは、
頭部が少し動くように、頭部フリーにしています。
頭部フリーと視線工夫の両立は、何度も細かい調整が必要です。
私としては、これで100L$なら妥当かと思ったのですが、
購入者から見たら、
“カップルポーズだから、二人が座った後に見える全体像としてのポーズは1つ”
と受け取ったのですね。
だから“1ポーズ100L$”は高いと考えたわけです。
男女それぞれにポーズを作っているとか、4ポーズ入っているというのは考えていないでしょう。
でも確かに、お客さん目線なら、“1つ”と考えてしまうのも分かる気がします。
さらに、視線についての工夫は、気づいてすらいないと思います。
もし何も工夫せずに、視線が不自然ならば、不自然なことには気づくのでしょうが、
自然に見えていれば気づかないでしょう。
全てはクリエイターの自己満足、こだわりであり、その思いは高ければ高いほど、値段も高くしたくなりますが、
客観的に見た時の、この商品の市場価値って・・ と考えれば、
自分の思いよりは低く設定せざるを得ません。
また、自分のほかの商品との価格バランスも考えなければなりません。
私の場合、AOのセット価格は、特別安く設定しているつもりです。
去年リリースした人魚AO3は、自分史上最高の作りこみを行って、
83アニメ入りで1200L$にしました。
どこまでもこだわって最高のものを作ろうとしたら、商品価格はどんどん高くなってしまいますが、
かといって値段調整のために、“ここまでの質にする”と制限しては、
納得のいかない、つまらないものが出来てしまう。
最終的には自分の思いよりも、
「いくらまでなら、人魚のAOとして市場に出せる金額か」
を考えて決めました。
このAOを買ったあとに、Xstreetで人魚ダンスのFATPACKを購入した人がいました。
人魚ダンスのFATPACKはXstreet限定で出しており、
単価200L$のダンス6個と100L$のダンス1個を、7個セットで1000L$にしています。
しかし、この人は私の商品に対して、先に購入している「83アニメで1200L$」
を基準にしていたようで、「7アニメで1000L$」というのは納得いかなかったようです。
AOのアニメでも、単価は100~150$ですから、バランス的にはおかしくないのですが、
パッケージAOだけを特別に安く設定しているため、この人の基準はそこになっているんですね。
「7アニメ全て30秒ループ、セットで1000L$」
という表示はしているので、この内容と価格を分かっていて購入したはずですから、
このお客さんが納得できない点は、“ダンスの質そのもの”ということになります。
しかしながら、私のAOを持っていて作品レベルもすでに知っているのだったら、
ダンスの質も予想できそうなものです。
「買ったことを後悔している。半額以下の価値しかない」と言うこのお客様は、
一体どんなダンスを期待していたんでしょうか。
作り手から見れば、矛盾しているこの言い分も、お客さんが一度「高い」と思ってしまえば、
何を説明しても無意味です。ただの言い訳になってしまう。
しかもこの人のコメントから察するに、ダンスが最大で30秒までしか作れないのも、知らないのかもしれない。
お客さんの声一つづつに一喜一憂しても、自分の思いがブレるだけなので、
あまり気にしないようにしようと思うのですが、
購入を後悔したり、不満があるお客さんには、できるだけケアしていきたいとも考えます。
かと言って、むやみに返金をするのも、悪質なお客さんを招いてしまうことになり・・・
終わりのない悩みです。

7月 2nd, 2010 at 7:18 PM
物つくりから離れてれば離れてるほど、こだわりや苦労はわかりませんからね。
ジャンルが違うだけでも分からなかったりします。
その人のSLでの生活や周りの人で金銭感覚もかわってくるし。
その差はどうしようもないことだし、俺としては何時間かかったらいくらで何個売れないと割に合わない、続けることができるかどうかでしかないかな。
これ以上やると値段をあげざる得ないって時はやめてしまいますよw
ある程度は身を削ることもありますが、そこから得る信頼もあるだろうけど、どちらかというと当たり前になるだけな気がする。
価格評価の違いは、遊びでやってる人、仕事でやってる人、そんなのが入り乱れて好きな値段でだせて相場というのが目安程度にしかないSLだから、100Lでxxxがうってたから、別の店の200Lのxxxはもっと良いという判断は危険極まりないですから購入を後悔したり不満があれば、そこで慎重に買い物をするということを学べばいいとおもうんですよ。
気に入らなかったとクレームいってくる人のほとんどの理由がxxをみてなかった xxだとおもった とか思い込みのおっちょこちょいからです。
そこでクレームを受理すると、その人はまた同じことをするのではと考えて俺は受けません。
「使わないものでお金をとるのか守銭奴め!!」とかいわれるけど
デモまであって自分で選んでお金払ってかった人がそんなこといってるのが滑稽。
使うかもしれないのにお金返せといってるようにしか聞こえない。
あ、うちの場合はコピー可商品でしかきたことないんで送り返せないものの場合ですネ。
俺は慎重に買うかどうかは金額によって違いますが適当に買ったものは自己責任だとおもってます。
7月 3rd, 2010 at 1:11 AM
お、hikoさんいらっしゃいませ。
本当に・・・買い物は自己責任なんですよ。でも、不満ぶつけてくる人って、
自分の言い分は、自己責任の範囲を超えてる(作り手の落ち度)と主張してくるんですよね。
お客さんの感じ方ひとつだから、後が絶えません。
連絡してくる人には、極力話して分かってもらおうとするのですが、
根本的にズレている人は、何言っても無駄なので、「サポート外です」と言い切ることもあります。
後味悪いですよねぇ・・・
7月 18th, 2010 at 9:52 PM
はじめまして、たまたまこちらの古い記事(「お店を持つ考え方」)を読んですごく共感したので、そちらにコメントしようと思ったのですが、最近にもすごくいい記事がたくさんあって、つい読みふけっていました。
作り手のこだわりと言うのは、本当になかなか伝わらない物ですね。サポート範囲や注意点なんかもそうですが。
使用上の注意や警告などは、販売したお客さんとのやり取りなどの経験を経るにつれ、しっかり表記するようになっていくと思いますが、個人的に、特にこだわって作った部分や特徴についても、売る時に積極的にアピールすると言うのが必要かなと最近思っています。良くも悪くも、日本人の苦手な部分ですね。
海外クリエイターの商品には、取るに足らない特徴を大げさにアピールしていて辟易するようなのも多いですが、それも国民性なんでしょう。そのかわり、クレームや訴訟が日常茶飯事(ステレオタイプすぎる見方かもしれませんが)のアメリカだからか、「こういう場合はサポート外です」なんて表記もしっかりしているように思います。あくまで平均的に、ですが。
クリエイターのこだわりというのは、多くのお客さんにとっては理解できない、気付かない物であることも多いものですが、以前はそういう点をアピールするという事には消極的でした。
でも最近は、もし売る時に画像1つ、説明文1つで他との違いや利点を明確に伝えることが出来れば、結果的に商品を選んでくれたお客さんの、商品に対する愛着や満足度もアップするのではと思っています。
Xstreetでの、「ポーズ一個なのに高い」という反応も、それについての説明文入りの画像が1つ2つあれば(そしてお客さんがちゃんと見てくれれば)、解消できていたかも知れないですね。
ただ、そういうのもやっぱり手間がかかるんですよね。
職人気質な日本人としては、そんな営業、広告みたいな作業に時間をかけるぐらいなら、もっといい物を作りたい、もっと細かい部分の修正、調整に時間をかけたいと思うのかもしれません。自分もどちらかというとそうです。
ただ最近、お客さんにもっと満足してもらうためには、いい物を作るのはもちろんですが、それだけでなくて、使い方や特徴もふくめて、ちゃんと伝えると言うことが大事なのかなと。なかなか難しいですね。
うちはグランドピアノを作っていますが、4月に完成、販売開始したものの、非常に機能が多く説明書無しでは多くの機能が充分に使えないため、英語の説明書をある程度作ってから・・・と、いまだにXStreetには載せられないでいます。本末転倒ですね^^;
7月 19th, 2010 at 1:08 AM
RoyalTurkeyさん
しっかりとしたコメントをありがとうございます。“あの”ピアノを作られた方なんですね~
友達がフォトコンに出てたので、投票に行きました。ピアノの出来も素晴らしかったです。
確か、曲に合わせて楽譜も変わっていきますよね・・ 作った人は職人だなぁと思いました。
ただ、正直、あれだけのプリム、値段、内容などで、買って本気で使い込む人も限られてくると思いました。
この辺がまた、どこに重きをおくか、客とクリエイターの違いですね。
自分の作ったものの宣伝が下手なのは、本当に国民性が出ますよね。
日本人は、昔から多くを語ることを良しとしないので、(粋ではないとか言って。)
作り手も買い手も、言葉足らずになりがちだと思います。
TVのCM見てると、日本と海外の差を感じます。
日本のCMは、説明が少なく、キメ台詞の一言+雄大な景色の中を車が走っていくだけ・・とか。
あとは、結構作り終わると満足してしまって、売り出すのが面倒な人もいますしw
自分の作ったものを、アピールすることの重要性は、私も最近になって痛感してきました。
商品の“見せ場”を伝えることを第一に、力を入れてプロモ動画を作った商品は、反響も大きかったです。
ちなみに、Xstreetには、4ポーズ入ってることについては具体的に内容を説明しておいたのですが、
たぶんお客さんは読んでないか、意味が分かってなかったんだと思います。
こっちがどんなに広告、アピールをしても、受け手はその内容の何割かしか、感じ取っていないものですよね。
その辺も考えて、より印象に残る宣伝方法も、考えるともっといいんだろうと・・思いますが・・・
お互いがんばりましょう!><
ありがとうございました!